マンション業界コラムVol.71
「マンションDB」では、オフィスで働く女性のための情報紙「シティリビング」との共同企画として、「働く女性のためのモデルルーム見学会」を開催しています。昨年の10月からの1年間で、20回以上開催してきましたが、継続して多くの物件が参加し、シティリビングの読者をはじめ、多くの女性の方に参加していただいています。
この見学会ですが、ここのところ参加申込がさらに増加してきました。
最近の例では、山手線「目黒」駅を最寄り駅とする、コンパクト間取りを中心とした数十戸の規模のマンションの棟内モデルルームの見学会に、50名を越える方に参加していただいています。
<マンション検討理由は「家賃がもったいない」>
この見学会に参加していただいた方の「マンション購入検討」のきっかけをアンケートしたものが下記のグラフです。
もっとも多いのが「家賃を支払うのがもったいない」で、次いで「結婚後の新居」「実家を出たい」が続き、投資という方も1割弱います。
また「その他」の中身は、プライベートスペースとして持っておきたいという方から、寮の退去期限がくるのでという人までいました。
やはり、現在賃貸マンションに住んでいて、「家賃を払うのだったら分譲マンションを買おう」という人が主流ではありますが、その他にも理由は様々という印象を受けます。
<希望間取りは、2LDK、1LDK>
この見学会に参加した方に希望の間取りを聴くと、2LDKと1LDKが中心で、3LDKを希望する人は少数派です。
多くの方、単身での入居を想定して物件を探していることがわかります。また、アンケートはありませんが、女性の方が単身で分譲マンションを購入する場合、将来的に結婚などで家族が増えた時にはそのマンションを賃貸に出すことを想定して検討する方が多いようです。それもあって、賃貸に出したときに投資効率が良いコンパクト間取りを選ぶ傾向にあるのでしょう。
<供給側もコンパクト間取り物件供給が盛んに>
では、デベロッパー側の対応はどうなっているのでしょうか?
分譲マンションの平均面積は、だいたい70㎡で推移しています。それは、分譲マンションでもっとも多いのは3LDKで、対象としているのはいわゆる「ファミリー」だからです。
しかし、前述のような需要の高まりもあって、コンパクト間取りが中心の物件の供給は比較的堅調です。
前回のコラムで、首都圏全体のマンションの供給はここ2年で大きく減少したことに触れましたが、「平均面積が40㎡台のマンション」に限ってみると、2008年には45物件が発売していました。これは、2007年の18物件に比較して大幅に増加しています。2009年も8月までの集計で37物件。昨年なみの供給です。
また、供給されているエリアに着目すると、以前から東京23区が中心はかわりません。つまり、全体の供給が減少する中で、単身入居を想定したコンパクト間取りのマンションは、東京23区を中心に堅調に供給が続いていることが分かると思います。
もっとも、住戸数で見ると2009年8月までで約1,000戸が供給されており、これは昨年のまだ半数程度です。物件数は増加しているが供給戸数が減少しているということは、1プロジェクトあたりの戸数が減少している=総戸数が小規模の物件が多くなっているということですが、エンドユーザー目線に立つと、いろいろな立地の物件を探せるということで、物件選びの幅は広くなっているということがいえましょう。
<背景には不動産投資ファンドの後退が>
こうした背景には、不動産投資ファンドの衰退があります。
つまり、こうした賃貸住宅として貸すこともできるコンパクト系の間取り中心のマンションは、大口の不動産投資の対象として適したものでしたが、昨年のリーマンショック以来、不動産に大口の投資をする投資家が減少したため、不動産投資ファンドを組成する会社も減り、結果として、都心のコンパクトマンションがファンドではなく一般ユーザーに向けた分譲物件に変わってきたという事例が多くなりました。
もともと、コンパクト型間取りのほうが、大型3LDKなどに比較すると、賃料の単価(坪あたりの家賃)が高くとれるのが通例ですし、都心の家賃需要は郊外のそれよりも安定しており入居率も高いという傾向にあります。
この特徴は、実はエンドユーザーにとっても同様で、家賃対ローン返済という面では、コンパクト型では借りるよりも買ったほうが有利ですし、将来自分がなんらかの理由で退去して、賃貸に出す場合でも比較的有利なわけです。
とはいえ、コンパクト間取りを中心とした物件は全体規模が小さいこともあって、広告などの量はファミリータイプの大型物件に比較すると少ないため、探しにくいという傾向にあります。
マンションDBは、こうしたコンパクト間取り物件も網羅していますので、ぜひ活用していただきたいものです。






