マンション業界コラムVol.11
近年のマンション、とりわけ規模の大きい物件には実に様々な共用施設が付いています。よく知られているものでは、ガーデンやキッズルーム、多目的室(集会室)をはじめ、同居していない家族や知人などが宿泊できるゲストルームなどもかなり一般的になって来ました。また眺望を楽しむスカイラウンジやシアタールームなどエンタテインメント性の高い施設も話題を呼んでいます。いまやマンション選びのひとつの基準になっているのではないでしょうか?
そこで今回は、共用施設にはどのようなものが多く採用されているのか、物件の規模別に取り上げてみたいと思います。まず共用施設をそれぞれ①生活支援系(生活していく上であると助かるもの)、②時間価値系(なくても困らないが、あると生活に潤いが得られるもの)、③医療健康系、④環境系、⑤特殊系の5つの系統に分類し、その傾向を検証してみました。

※データ:創芸調べ
はじめに調査対象を全体で見ると、設置率の上位にランクされる共用施設は「生活支援系」、次いで「時間価値系」となっています。しかし、この2つの系統の施設をよく分析すると(赤丸)、「専有部分+αの空間や機能が得られる」、「一家族で持つには大掛かりだが、全体で共有することで子育てなど生活に役立つ」、あるいは「余暇が充実する」などのメリット性が共通点としてあげられます。つまり、これらの施設に関しては、近年の“マンション生活”の基礎を下支えしている機能だと言えそうです。ちなみにこの傾向は、物件規模に関わらず同様に見られます。
「時間価値系」の共用施設の中でも、都心高額物件で採用されている設備(青丸)は、内容がより専門的になっていたり、夫婦二人の生活をより豊かにする施設となっていたりするのが特徴です。対して「健康・医療系」の共用施設(緑丸)に関しては、基本的に設置率が低く、設置されているものの多くは健康に寄与するフィットネスなど運動系のものとなり、クリニックを併設する医療系のものは極めて稀だというのが現状です。また規模的にも大きい物件の事例が多く、中小規模の物件では実施した事例は殆ど見られません。
ここから見えてくる事実は、やはりマンション市場は「30代の子育てファミリー層」という家族形態を基本として考えられているということです。現在の激変している社会動態を見れば、50代を超えたセミリタイアメント層やシニア層へ向けたマンションというものも、当然ありと予想するのは容易ですが、その流れはまだ来ていません(一部これらのターゲットを想定したプロジェクトも見られてきました)。
健康や医療に気をかけている方は、今後ぜひその点に注目して物件を検討してみてはいかがかと思います。もちろん立地や周辺施設の充実などによっても、健康・医療系施設の設置の必要性は変わるので、共用施設が充実していることだけがマンションの良し悪しではないことを付け加えておきます。
次回は、規模に関わらず設置率の高かった「ゲストルーム」の体験レポートをお送りしたいと思います。ご期待ください。

暑い季節がようやく終わり、真っ黒に日焼けした子供達をまだまだ巷で見かけるこの頃です。大人はオイソレと旅行できないものの、一人想像で(読書等の中で)遠くに行く事もできますよね。