10月 29

                                                 マンション業界コラムVol.11

 近年のマンション、とりわけ規模の大きい物件には実に様々な共用施設が付いています。よく知られているものでは、ガーデンやキッズルーム、多目的室(集会室)をはじめ、同居していない家族や知人などが宿泊できるゲストルームなどもかなり一般的になって来ました。また眺望を楽しむスカイラウンジやシアタールームなどエンタテインメント性の高い施設も話題を呼んでいます。いまやマンション選びのひとつの基準になっているのではないでしょうか?

 そこで今回は、共用施設にはどのようなものが多く採用されているのか、物件の規模別に取り上げてみたいと思います。まず共用施設をそれぞれ①生活支援系(生活していく上であると助かるもの)、②時間価値系(なくても困らないが、あると生活に潤いが得られるもの)、③医療健康系、④環境系、⑤特殊系の5つの系統に分類し、その傾向を検証してみました。

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                                                            ※データ:創芸調べ

 はじめに調査対象を全体で見ると、設置率の上位にランクされる共用施設は「生活支援系」、次いで「時間価値系」となっています。しかし、この2つの系統の施設をよく分析すると(赤丸)、「専有部分+αの空間や機能が得られる」、「一家族で持つには大掛かりだが、全体で共有することで子育てなど生活に役立つ」、あるいは「余暇が充実する」などのメリット性が共通点としてあげられます。つまり、これらの施設に関しては、近年の“マンション生活”の基礎を下支えしている機能だと言えそうです。ちなみにこの傾向は、物件規模に関わらず同様に見られます。

 「時間価値系」の共用施設の中でも、都心高額物件で採用されている設備(青丸)は、内容がより専門的になっていたり、夫婦二人の生活をより豊かにする施設となっていたりするのが特徴です。対して「健康・医療系」の共用施設(緑丸)に関しては、基本的に設置率が低く、設置されているものの多くは健康に寄与するフィットネスなど運動系のものとなり、クリニックを併設する医療系のものは極めて稀だというのが現状です。また規模的にも大きい物件の事例が多く、中小規模の物件では実施した事例は殆ど見られません。

 ここから見えてくる事実は、やはりマンション市場は「30代の子育てファミリー層」という家族形態を基本として考えられているということです。現在の激変している社会動態を見れば、50代を超えたセミリタイアメント層やシニア層へ向けたマンションというものも、当然ありと予想するのは容易ですが、その流れはまだ来ていません(一部これらのターゲットを想定したプロジェクトも見られてきました)。

 健康や医療に気をかけている方は、今後ぜひその点に注目して物件を検討してみてはいかがかと思います。もちろん立地や周辺施設の充実などによっても、健康・医療系施設の設置の必要性は変わるので、共用施設が充実していることだけがマンションの良し悪しではないことを付け加えておきます。

 次回は、規模に関わらず設置率の高かった「ゲストルーム」の体験レポートをお送りしたいと思います。ご期待ください。

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10月 22

                                                 マンション業界コラムVol.10

 あなたがこれからマンションを購入しようという時に、親からの資金援助をどの程度前提に考えるでしょうか?
一都三県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)にお住まいで、2000年以降に新築分譲マンションを購入した699名の方に、親からの援助についてたずねてみました。

 アンケート全体では、「援助を受けなかった」という人の割合が447名と全体の64%を占め、「援助を受けた」という人の倍近くになっています。援助なしでマンションを購入する、いわゆる「完全自立派」が結構多いという実情がわかります。

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 これを年代別に見ると、20~30代では「援助なしの完全自立派」の割合は6割前後、40代で7割弱、50~60代で8割前後と増えていきます。やはり年を重ねるに連れて、経済的な安定や貯蓄などにより「親からの援助は受けられない!」といった自立意識が強まるのかも知れません。
 20~30代の「援助なしの完全自立派」は、DINKSなど世帯年収を活かした現実派なのでしょうか。一方「援助を受けた派」は、親の援助を受けながら巧みに自立しようとする堅実派なのでしょうか。20~30代は、親たちの取り巻く状況や自らのライフステージによって、マンション購入の資金計画が大きく分かれるようです。

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 「援助を受けた派」252名の気になる金額ですが、援助を受けた派の中で「1000万円以上」と答えた割合が25%と、「完全親がかり派」が意外と多いというのが驚きです。それ以外で多いのは「100~300万円未満」(21.8%)、「300~500万円未満」(19.8.%)と続き、「100~500万円未満」の占める割合が41.6%ということになります。

 さて、ここでちょっと知っておきたい贈与税の豆知識です。自らが居住する住宅の取得が目的の場合、「住宅取得資金の贈与特例」という制度があり、父母や祖父母からの550万円までの資金援助は非課税となります。(ただし、マンションは築25年以内、年間所得1200万円未満が条件)。購入する住宅が夫婦共同名義なら、夫と妻それぞれ550万円、合わせて1100万円までの贈与が非課税となります。

 もし今後マンションを購入されるという時、「親の説得材料」として、この税制の優遇措置の活用などをちょっと頭に留めて置いてもいいでしょう。

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10月 15

                                                  マンション業界コラムVol.9

 ふるさとは近きにありて思ふもの?今回の話題は「地縁(ちえん)」についてです。「血縁」は知っているけど「地縁」って?という人も多いのではないでしょうか。「血縁」はその名の通り、祖先を同じくする人たちの血の繋がりによる縁。では「地縁」は?というと、現在住んでいる土地だとか、産まれ育った土地だとか、土地に対する繋がりとそれに付随する人間関係による縁です。

 新居の購入を検討する人が「地元で買いたい」「友達や親から離れたくない」と思い立ち、その周辺地域で物件を探して購入する。これが“地縁”による住まい選びの典型例です。では実際に、地縁によって住まいを決める人はどれくらいいるのでしょうか?
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 マンションDBで調べたアンケート結果では、マンション購入者の約半数の人が「地元エリアで購入した」と回答しました。「親族が住んでいる」「以前住んでいた」「学校や職場があり、知っていた」との回答も含めると約70%の人が地縁によって住むエリアを決定したことが分かります。

 また、アンケート結果を年代別に見ると面白い結果が出ています。30歳代のいわゆる団塊ジュニア層が「地縁」を特に重視したマンション選びをしているのです。おそらくその世代では、夫婦とも地元の生活基盤が出来上がっており、その子供たちもやはり地元コミュニティの友達が多く、なかなか遠くに行きづらい…などというのが理由になっているかもしれません。

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 もともと日本人は農耕を中心として土地に密着した生活を送っており、遠くに移り住む事はあまりしない人々でした。それが大きく変わったのが高度経済成長時代です。その時代に地方にいた団塊の世代は、一挙に仕事のある大都市周辺へと移動したのです。やがて彼らは家庭を持ち、郊外の大規模ニュータウン等で家を購入し、定住していきました。団塊の世代は、その点で「地縁」から束縛されない新しい形態の住まい選びをしたのです。

 そして、そこで生まれた団塊ジュニアは、郊外のニュータウンを故郷として育っていきました。すでに環境は計画的に整備され、地元から離れなくても通勤や日常生活に利便性を享受できる郊外のニュータウン。ショッピングや休日のレジャーに事欠かない都市を中心としたライフスタイル・・・。さらに昔からの友人や知人も多ければ、地元から離れたくないのは当然の事でしょう。30歳代に「地縁こだわり層」が多いのは、そういった歴史的な背景があるのかもしれません。

 とはいえ、地縁に縛られるとマンション選びの幅がせまくなってしまうことも事実。参考程度でもいいので、マンションDBを使って、自分のこだわりからエリアをはずして考えるとどんなマンションが候補にあがるのか、試してみてはいかがでしょう。

※グラフに使用したアンケート
 2007年1月16日~2007年1月18日 「マンションの購入に関するアンケート」
 調査対象:一都三県在住 20歳~69歳の男女

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10月 9

                                                  マンション業界コラムVol.8

 首都圏一都三県在住の2000年以降マンションを購入した699名の方に、購入のきっかけを聞いてみました。あなたがマンションを購入したきっかけは何でしたか?
 購入したきっかけは、大きく「経済面」「ライフステージ」「前住居不満」の3つの理由に分かれます。全体を見ると、「低金利で買い時だと思った」「家賃と変わらない金額のローン返済で購入できた」という経済面での要因が高くなっていることがわかります。1.9.PNG

 まず特徴的なのは、「結婚を機に家を買おうと思った」「出産、育児、子供の教育環境などに合わせて」「子供の独立を機に老後の生活を考えて」といったライフスタイル要因です。
家族形態別に、ファミリー層、DINKS層、(プレ)リタイア層、シングル層では大きな開きが見られます。

 ファミリー層では「出産、育児、子供の教育環境に合わせて」、DINKS層では「結婚を機に」、(プレ)リタイア層では「子供の独立を機に」、シングル層では「賃貸住宅では将来的に不安」という項目が高くなっています。

 マンション購入のきっかけは、経済面や前住居の不満要因がベースとなっていますが、最終的には、ライフステージの変化が決め手となっているようです。

 マンション購入の決め手となるライフステージですが、ここでは、購入のタイミングをライフステージ別にチャート化して表現してみました。

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 このように、ライフスタイルの多様化する中で、購入きっかけは一生に一度ではありません。キャリアを積んでバリバリ働く時期も、子育てに奮闘する時期も、リタイアして趣味に生きる時期も、それぞれ必要な住まいは違ってくるはずです。
 さあ、あなたは今どのライフステージにいるのでしょう?ご自身の一生を考えたとき、就職からリタイアまでにどのような生活をしたいのかを意識して、今の自分にふさわしいマンション選びをしてみてはいかがでしょうか。
 これからのマンション選びは、その時々のライフステージに合わせて、一度のみならず、2度、3度と住み替えることも、当たり前の時代になるかもしれませんね。

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10月 1

                                                  マンション業界コラムVol.7
%24.png 暑い季節がようやく終わり、真っ黒に日焼けした子供達をまだまだ巷で見かけるこの頃です。大人はオイソレと旅行できないものの、一人想像で(読書等の中で)遠くに行く事もできますよね。
 例えば、東京都。人口1200万人でGDP7000億US$。ここで作られる様々な財貨サービスを合計して、国(東京国)と仮定。GDP(国内総生産)に見立てると、7000億ドル超で、カナダ1国(GDP6100億US$)の1.2倍に相当。スペイン(5300億US$)の1.4倍に匹敵します。(カナディアンロッキーに夢を馳せ、行った気になる10月の昼)

 そして大阪府、人口880万人で3300億US$。ここもGDP試算で見ると、オランダ1国(3600億US$)に相当します。(運河と花畑に思いを馳せ、夢で行けたら45歳の秋)

 愛知県は、GDP換算2700億ドルで、アルゼンチン(2900億US$)とスイス(2500億US$)に匹敵。(アイガーを眺めながら、25年前にかえってダウンヒル滑りたい)

 通常、日本と米国、カナダとオランダ、という比較は考えるかもしれません。しかし、「東京都とカナダ」「大阪府とオランダ」「愛知県とスイス」がおおよそ同等の経済規模だったなんて想像つきませんよね。

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 さて、これだけ経済力の強い筈である、わが日本。しかし、国土の狭さ、使える土地(平地)の少なさから、もっぱら諸外国では、小さな家を指して「兎小屋の働き蜂」と揶揄されてきました。住まいとしてのマンションは、国土の有効利用という観点では、理に叶う合理的な空間です。昨今の環境ブームからも、1軒で四隅の壁を要する一戸建てより、四隅や床と天井までも隣家と接するマンションの方が非常に効率的な住まいでしょう。加えて、日本の戸建平均寿命が約24年などというのを聞くと(某住宅メーカーのTVCM)、一戸建ては、ほぼワンジェネレーションで解体されてしまうのか、などと疑問を持ってしまいます。

 一方で、仮に築24年のマンションは、管理とメンテナンスさえ行き届いていれば、かなり快適な住まいといえます。原宿、飯田橋(大曲)などで長年「街の顔」として親しまれていた同潤会アパートは、築65~70年をもって惜しまれながら寿命を終えました。良い物を永く使う、古き善き物を愛す日本の風土、そして欧米の技術や文化を巧みにアレンジするのが得意な日本人。住宅品質性能評価などを取得した現代の高品質なマンションを、自分のライフスタイルに合わせてオーダーメード的な空間に仕立て上げる、そんな時代がやって来ているのです。

 いま、あなたが購入を検討している東京(大阪、名古屋・・・)のマンション。例えば数十年後のとある一日・・・。ここで長閑に暮している自分の姿に思いを馳せると、実際にはまだ住んでいないこのマンションが「愛おしくなりませんか?」(それはあなたのイメージ次第ですが)。一戸建なら1~2回建替えるか、リフォーム、そしてまたリフォームに追われている筈です。

尚、データは、二宮書店「データブックオブザワールド」経済企画庁「海外経済データ2003」による。

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