マンション業界コラム Vol.73
<「リノベーション」って聞いたことがありますか>
7月から、マンションDBの特集で、「一棟まるごとリノベーション」物件の紹介をしています。
マンションDBは、「新築マンションポータルサイト」ですので、このコラムをお読みになる皆さんも、新築分譲マンションをご自身の今後の住宅計画の選択肢に置いている方だと思いますが、最近「リノベーション」という言葉を聞いたことがあるかたも多いと思います。
「リノベーション」という言葉は、一般的には「中古住宅を大がかりに改修(リフォーム)したもの」というような意味で使われていることが多いようで、「中古マンションの一室が改修されて販売されている住宅」というものが多いようです。
このような「リノベーションマンション」に関する厳密な統計はありませんが、こうした一戸単位を中心にリノベーションマンションを供給している大手企業では、すでに年間1,000戸以上を継続して販売している企業もあり、ひとつの住宅のジャンルにそだってきているといえます。
また、「中古マンションを買って、大規模なリフォームを施す」といった購入形態にもリノベーションというような言葉が使われたりするのを見かけます。
一般に住宅購入を考えている方のイメージとしては、「カッコよくリフォームされた中古マンション」という感じではないでしょうか。また、自分の好きなように間取や内装をデザインしたりできることも魅力的なことと感じられれていることでしょう。
<リノベーションへの注目>
リノベーションということばが一般化する前ですが、1990年代から都心の倉庫や古いビルを店舗や小規模な事務所として利用することが広がっていきました。東京の「天王洲」とか「芝浦」、「勝どき」に倉庫を改造したおしゃれなレストランや事務所があったことを覚えている方も多いのではないでしょうか。
住宅の分野でリノベーションが注目されだしたのは、2000年代初頭からでしょうか。建築家やデザイナーなどクリエイティブな仕事につく人を中心に、古い建物をリノベーションして住むことが注目されました。その後、一般の人のリノベーションニーズをサポートする企業が出てくることで一般化してきたという状況でしょう。
<1棟まるごとリノベーション>
今回、マンションDBで特集する「一棟まるごとリノベーション」はこうした一戸単位でのリノベーションとは大きな違いがあります。
「一棟まるごとリノベーション」とは、社宅や賃貸住宅として使われていた集合住宅を、外観やエントランスホール、外構など全体を改修するもので、一戸の中古マンションでは不可能なマンション全体のリノベーションが可能ですので、エンドユーザーにとっては「新築分譲マンション」とイメージが近い住宅といえましょう。
<一棟まるごとリノベーションの価値は>
ところで、一棟まるごとリノベーションは、供給側にとってどんなものなのかというと、事業としてはいろいろと大変なもののようです。
極端な話、新築の分譲マンションは、更地に自由に絵をかくようなプロジェクトですが、リノベーションは、旧来からある建物が残したほうがいい建物なのかどうかを調べることから事業が始まります。
当然、リノベーションの本来の意義である旧来の建物を活かして、コスト圧縮しながら、最新の設備や共用部デザインを提供するということで、購入者にとっても魅力的な住宅になる訳ですが、その「既存の建物を調べること」自体が大きな手間なのは想像に難くないでしょう。
逆にいうと、一棟まるごとリノベーションの場合は、この建物全体に対しての信頼性が大きな魅力であるといえましょう。
<過去の経験から>
私は、分譲マンションのマーケティングの仕事していますので、マンションの計画地を数多く見てきました。そのときに感じたことなのですが、どのエリアでも住宅としていいなと思う地域には、大手企業などの「社宅」が立っていることが多いということを経験的に知っています。どういう経緯からそうなっているかわかりませんが、企業(中でも一流企業といわれる企業)の社宅は住宅地の中でもいい場所にあることが多いように感じます。
また、企業の社宅は分譲マンションや賃貸マンションにくらべると外見的には地味なものが多いのですが、管理が良く、植裁などの緑が充実していたり、全体としてどことなく品がよく余裕のある敷地の使い方をしているものが多いようにも感じます。
「一棟まるごとリノベーション」の多くは、こうした企業の社宅をリノベーションしたものが多いのですが、立地条件がいいことが多いと言えるのではないでしょうか。
<一棟まるごとリノベーションの「稀少性」>
前述したように「一棟まるごとリノベーション」は、社宅や賃貸マンションなどを一棟まるごとリノベーションするものなので、なんらかの理由で」集合住宅を一棟まるごと手放すひと(会社)」が居ないと成り立ちません。
つまり、めったにあることではないということです。
一棟まるごとリノベーションは、住宅購入を考える人にとっていろいろ魅力的なことが多いのですが、残念なことに「プロジェクトが成立するケースが極めて少ない」わけですね。
また、一般的な分譲マンションに比較するとこうした「一棟まるごとリノベーション」物件はあまり広告されませんし、専門に紹介しているWebサイトなども少ないので、住宅検討者の目に触れる機会も少ないというわけです。
こうした「稀少性」の高い「一棟まるごとリノベーションマンション」。マンションDBでは今回「特集」として現在販売されているものを集めて掲載しています。あなたの住宅検討対象のひとつとしてはいかがでしょうか。





















